コラテラルを見る。
LAのタクシー運転手マックスは街でヴィンセントと名乗る客を拾う。しかし、実は
ヴィンセントは殺し屋で、ひょんなことから死体を目撃したマックスは殺人行に無理やり
同行させられる。
「巻き添え」(コラテラル)になったマックスの運命やいかに、というストーリー。
プロットは突っ込みどころ満載だが、面白かった。
メッセージもはっきりしている。マックスはタクシー運転手は仮の仕事だとうそぶく。
いずれ金を貯めてリムジン・サービスの会社を作るのだと。
だがその実、そんな金など貯まりっこないと考えている。今は仮の姿だと思い込むこ
とで自分を慰めている。やがてヴィンセントに追い詰められた彼は悟る。「失うものは
なにもない。実行するしかない」と。
非常に身につまされる話だ。多くの人が実現しそうにもない、しようともしていない
夢を心に描いて、惨めな現実から逃避している。
「会社辞める」と言いながら動こうとしない人、「資格を取ったら・・・」といいつつ
勉強しようとしない人、いくらでもいる。
この映画はそのような人たちに「動かなければ何も始まらない」という事実をつきつける
のである。
いい映画だ。おすすめ。