二人の天魔王「信長」の真実 (講談社文庫)

二人の天魔王「信長」の真実 (講談社文庫)

【026/100】

京極夏彦の師匠として名高い明石散人が虚像にいろどられた「信長」の実像に迫った本。
信長が室町時代に「天魔王」と恐れられた足利義教に憧れ、義教を模倣したこと、
そして結局は信長が義教の縮小型コピーに過ぎないことを明らかにしている。
この人の論理はなんだか強引なものも多くて、学術的にはあまり意味のないものかも
しれない。(高橋克彦と対談した、「日本史鑑定」というトンデモ本も出しているようだ)
しかし、きっちりと文献から引用して論を展開するので、妙な説得力がある。
なにより知的に興奮して、面白い。歴史好きにはたまらない。
ブックオフで見つけたら、サルベージすべき一冊。