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- 作者: カミュ,窪田啓作
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1963/07/02
- メディア: 文庫
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「きょう、ママンが死んだ。昨日かも知れないが、私にはわからない。」
という冒頭の文章と「太陽がまぶしかったから」というセリフはやたら有名だが、通読した
人はあまり多くないであろう小説である。
古典でありながら、かなり読みやすい。とはいえ、かなり難解なことに変わりはないのだが。
私が一番わからないのはムルソーがセレストの店で出会った「小柄な女」と裁判で傍聴席
にいた「若い新聞記者」の存在だ。この二人、物語のクライマックスである裁判の場にも
登場して意味ありげに描写されるのだが、最後まで何もしないのだ。カミュは若いころ新
聞記者だったので、新聞記者=作者なのかもとは思うが、「小柄な女」のほうはさっぱり
わからない。誰か教えてくれ。
それはともかく、カミュの言いたいことはなんとなくだが、わかる。
ムルソーは理由なく殺人を犯し、母親の葬式で泣かなかったことで死刑にまで追い込まれ
るのだが、それはムルソーだけではなく世の中も不条理であることを示している。なぜならム
ルソーは自分の感情に素直に生きているのだが、世の中は常にお芝居をしている。いっ
たいどちらがよりまともなのか、という問いかけを発しているように思えるのだ。
こういう解釈、陳腐すぎるかなぁ?